骨董品で多く取引されているものの一つに水瓶があります。生活において水を運ぶために使われるものもありますが、仏教において使われる水瓶もあり、こちらも希少性が高いことから高額で取引されることもあります。そこで水瓶にはどういったものがあるのか、また使われてきた歴史を合わせてご紹介します。

水瓶とは?

水瓶とは水を運ぶために入れる土器や磁器などをいいます。大きさも様々で、壺と形態が似ていることから区別が難しいものもあります。一般的には液体を貯蔵したり、液体を使った作業をする際に使われるものについて瓶(甕)といい、花を生ける花瓶とはまた別のものとなっています。

仏教における持ち物としての水瓶もある

仏教では仏前にお供えする水のことを閼伽(あか)と呼びます。サンスクリット語のアルガが元になっており、一般的には功徳水と呼ばれます。この水を入れる入れ物も水瓶と呼ばれます。また供養道具のほか、修験者である比丘の持ち物の一つでもあります。また観音像が持ち物として持っていることもあります。これらの水瓶は磁器のほかに鋳銅製のものもあり、骨董品として取引されています。

飾るものとしての水瓶もある

一般的に水瓶は生活に即した使われ方をしています。そのためシンプルな形であることがほとんどですが、使用する場以外では飾ることも可能なものもあります。人形の形をしている水瓶なども作られており、使うだけでなく飾ることに重きをおいたものとなっています。

外国で作られたものも人気

アンティークとして、外国で使われている水瓶もあります。外国から輸入して販売されているものにはガラス製のものなどもあり、コレクターがいることから高値で取引されることもあります。

水瓶はどれぐらいの価格でやり取りされている?

水瓶は日常的に使われることも多く、一人では運べないぐらいの大きさのものなどもあります。ただ、大きさや形などで価格が変化することは少なく、実際には磁器や焼き物がどこで製造されたものなのか、またいつの時代に作られたものなのかによって変わってきます。特に銅製の水瓶は10世紀から13世紀ぐらいに多く作られていますが、現存するものが少なく高値となっています。また重要文化財となっているものも多く存在します。

一般的には1万円~3万円程度

水瓶は生活用に作られたものの場合、高くても1万円~3万円程度、多く生産されている形や焼き物の場合は数千円ということも珍しくありません。希少性がある、また特殊な形をしている場合には高値になることもあります。またガラス製など素材によっても価格には差がありますので、鑑定してもらうのがおすすめです。

保存状態が良いものだと価格が高くなる

水瓶は日常的に使われることが多く、そのため欠けたり表面が剥げたりといったことも少なくありません。高値で引き取ってもらいたい場合には、できるだけ汚れや破損がないようにすることが大切です。また茶道具などで使われているものの場合、作家物であれば高値になります。木箱などがあれば希少価値があると判断されますので、忘れずに一緒に鑑定してもらうといいでしょう。

仏教に関わる水瓶は高値で取引されている

仏教で供養道具として使われる水瓶は、古いものだと室町時代などに使われていたものなどがあります。生活用品として使われている一般的な水瓶と違い、大切に保管されていることも多いため、高値で取引されています。また仏教を伝えたインドなど外国製の水瓶は、アンティークとしても価値が高く、こちらも高額で取引されることが多くあります。こちらも素材などで価格が変化します。